Q

インプラントをする時にCTは必要か

A

インプラントは、治療を開始する前の検査や診断が非常に重要な歯科治療です。もちろん、虫歯治療や歯周病治療も検査や診断が重要であることに変わりはありませんが、インプラントの場合は、診査や診断の段階で、インプラントオペの術式や具体的な処置内容まで決まりますので、ことのほか重要といえるのです。それだけに、精密検査である歯科用CTを活用するケースがほとんどといえます。

 

1.CTは欠かすことのできない検査

 

インプラント治療では、歯科用CTによる撮影を行う歯科医院がほとんどです。歯科用CTという装置自体、とても高額なものですので、そう簡単にとり入れることもできないのですが、インプラントで正確な診断を下す上では欠かせません。そのため、自前で歯科用CTがないところでは、他の施設のものを借りて、撮影することも珍しくはありません。では、インプラント治療において、なぜそこまでCT撮影が重要となるのでしょうか。

 

2.レントゲン画像は2次元

 

歯科治療全般で撮影が行われるレントゲン画像は、言うまでもなく二次元です。デンタルエックス線にしろ、パノラマエックス線にしろ、どこかひとつの角度から1枚のエックス線写真を撮影します。当然、出来上がる写真からは平面的な情報しか得られません。これがもし、虫歯治療や歯周病治療であれば、不十分ではありますが診断を下す材料になります。2次元的な情報であっても、虫歯の有無や歯槽骨の吸収などが確認できれば、あとは具体的な処置へと移れるからです。けれども、インプラント治療においては不十分なのです。

 

3.インプラント治療には3次元的な情報が必要

 

虫歯治療は、エックス線画像で虫歯の有無と大まかな位置を確認し、染め出しを行うなどしながら、手探りで病変を取り除いていきます。染め出される歯質がなくなったら、汚染された部分が取り除かれたことになりますので、あとは消毒をしてレジン充填を行えばよいのです。

 

一方、インプラントはもうすでに決まった形のインプラント体(人工歯根)を限られたスペース(顎の骨)に埋め込む治療ですので、手探りで行うわけにはいきません。いざ、インプラントオペを開始して、思ったよりも骨の深さが足りなかったり、骨密度が希薄だったりしたらどうなるでしょうか。当然のことながら、オペを継続することは困難となり、今後の治療方針を再度考えなければならなくなるのです。ですから、インプラントオペを実施する前に、少なくとも顎の骨の三次元的な情報が必要になります。その他、骨密度の状態や全身疾患の有無など、オペの前に診査しておくべき事項は沢山あります。

 

4.CTなしでも治療は受けられる?

 

ここまで、三次元的な情報が得られるCT検査は、インプラント治療において欠かすことのできないものと述べてきましたが、それでもやはり、費用を抑えたいなどの理由から、CTなしで治療を受けたいという方もいらっしゃるかもしれません。実際、CT検査を行わずにインプラント治療を実施している歯科医院もありますので、不可能ではないといえます。ただし、CTなしでインプラント治療を成功させるとなると、熟練した技術が不可欠ですし、かなりの部分を術者の技能に頼ることとなりますのでご注意ください。そこでひとついえるのは、CTなしでもインプラントを成功させられる歯科医師であれば、CTの情報を得ることで、さらに精密なインプラント治療を実施でき、治療結果も格段に良いものになるということです。

 

5.まとめ

 

このように、インプラント治療においてCTは必要な検査です。CT撮影を行わなければ絶対にいけないわけではありませんが、CTによる三次元的な情報が得られることで、治療結果は必ずと言って良いほど向上するはずです。それくらいCTは重要な検査です。

Q

GBRとは?

A

インプラント治療が適応される症例では、さまざまな理由で歯が失われています。歯周病が重症化して歯槽骨の著しい吸収が起きたり、重度の虫歯で歯が抜け落ちたりするケースも珍しくありません。それらのケースでよく問題となるのが、歯槽骨の状態です。歯肉や歯根膜、歯槽骨といった歯を支えている組織がかなりのダメージを受けていることが多く、すぐにインプラント治療を開始することは困難となります。そこで有用となるのがGBRなどの骨造成です。

 

1.GBRとは

 

GBRとは、骨誘導再生と呼ばれる骨造成法で、インプラントを埋めるにあたって不足している部位を移植骨で補う治療法です。使用される移植骨は患者さん自身の骨だけでなく、人工骨も活用されます。それらを骨の不足部位へと移植し、正常な骨が再生するよう作用させます。

 

2.移植するだけではなく骨を増やす?

 

GBRの特徴は、骨誘導再生という名前からもわかるとおり、患部に自家骨などを移植して終わりではなく、処置後に正常な骨が再生するように促す治療法でもあります。ですから、必ずしも多量の自家骨や人工骨が必要になるわけではなく、患者さんの体がもつ自然治癒力も利用しながら骨の造成をはかります。そのため、治療が完了するまでに数ヵ月かかることがあります。とはいえ、移植するのが自家骨であったり、自然な力で再生した骨で満たされたりするため、拒絶反応などが起こる心配も非常に少ないというメリットもあります。

 

3.GTRとの違いは?

 

GBRに似た治療法に、GTRというものがあります。GTRは日本語に訳すと「組織再生誘導法」となり、再生をするのが歯槽骨だけでなく、歯根膜や歯肉も含まれています。つまり、より広い意味での歯周組織再生療法がGTRです。このGTRもインプラント治療で行われることがあります。なぜなら、歯槽骨だけでなく、歯肉まで著しい吸収が見られる場合は、どちらの再生もインプラント治療において必要になるからです。

 

4.GBRはいつ行うの?

 

インプラント治療において、GBRがいつ行われる処置なのかというのは、気になる点ですよね。まず、GBRが必要になるかどうかは、事前に受ける精密検査で分かります。インプラントの精密検査では、CTを活用して、骨の幅や深さなどを計測します。また骨密度の検査も行いますので、どれくらいの骨造成が必要になるかは、その時点で判明します。ですから、多くのケースでは、実際にインプラント体を埋めるプロセスであるインプラントオペに先立って、GBRが実施されます。そのため、GBRによって骨の状態が安定するまでは、インプラントオペが延期されることとなるのです。

 

5.インプラントオペの最中に行うこともある

 

顎の骨の状態によっては、インプラントオペと同時にGBRも行うことがあります。その方が、患者さんへの体の侵襲も少ないですし、手術回数も減らすことが可能となります。ただ、インプラントオペとGBRを同時に行えるのは限られた症例ですので、全ての患者さんに適応されるわけではありません。骨の吸収が著しく、時間をかけた骨再生が必要なケースでは、インプラントオペの前にGBRを行うことが多いといえます。

 

6.まとめ

 

骨造成法の一種であるGBRは、その効果や安全性が確立された外科処置ですので、とくに不安を感じることはないかと思います。また、本来であればインプラントオペが難しい症例でも、GBRによって骨再生を促すことで、インプラント治療を受けられるようにすることが可能となります。実際、臨床の現場では沢山の患者さんがGBRを受けた上でインプラントオペに臨んでいます。とはいえ、GBRによってどれくらい骨が再生されるかはケースバイケースといえますので、必ずしもインプラント治療が可能になるわけではありませんので、その点は注意しましょう。

Q

インプラントとかみ合わせについて

A

天然の歯にしろ、差し歯や入れ歯などの補綴物にしろ、共通して重要となるのは「かみ合わせ」です。歯や人工歯はそれぞれ単独で存在しているのではなく、他の歯ときちんとかみ合うことではじめて、その役割を果たします。それくらいかみ合わせというのは重要なものなのです。それはインプラントにも同じことがいえます。ここではそんなインプラントとかみ合わせについて詳しく解説します。

 

1.歯が持つ主な機能

 

成人の歯は全部で28本存在し、上下で歯列を形成することで、食べ物を咀嚼する機能を発揮します。その際、上下の歯がそれぞれ正常にかみ合っていることは、ある意味で最低条件といえます。なぜなら、他の歯とかみ合っていないということは、歯が持つ主な機能である咀嚼に関与していないことを意味するからです。歯は上下の歯できちんとかみ合うことで、食べ物を砕いたり、すり潰したりすることができます。逆に、きちんとかみ合っていない歯というのは、咀嚼機能に貢献しないだけでなく、いろいろなトラブルを引き起こすことがあります。

 

2.かみ合っていない歯による悪影響

 

かみ合っていない歯というのは、その歯だけ歯列が逸脱しているケースが多いです。その結果、本来かみ合うはずだった歯が相手を見つけられず、過剰に伸びたり引っ込んだりすることがあります。また、歯列は1本1本の歯の集合体ですので、1組の歯のかみ合わせが極端に高くなると、それ以外の全ての歯が咬み合わなくなることさえあり得るのです。このように、たった1本であっても、かみ合っていない歯による全体への悪影響は非常に大きくなるリスクをはらんでいるといえます。

 

3.インプラントがかみ合わせを改善する

 

インプラント治療が適応される症例というのは、歯を喪失していますので、放置すると歯列に生じた隙間をその他の歯が埋めようと動き出し、やがては歯列全体が乱れ、かみ合わせも悪化します。そこで必要となるのがインプラントを始めとした補綴治療です。

 

こういったケースで歯、入れ歯やブリッジなどの保険診療が第一選択として挙げられますが、かみ合わせを改善するという点に関していうと、圧倒的にインプラントが優れているといえます。なぜなら、インプラントであれば、歯を失った部位に人工歯根を埋め込み、上部構造を設置することで、喪失前の状態に限りなく近づけることができるからです。自ずとかみ合わせも喪失前の状態へと回復させることができるのです。これがブリッジや入れ歯となると話は変わります。なぜなら、ブリッジや入れ歯には人工歯根がなく、残存している歯列に補綴装置を被せる形で、失われた歯を人工歯によって復元するからです。そうした大型の補綴装置による治療では、もともとのかみ合わせを復元することは極めて難しいといえます。何より、歯根の部分があるかないかで、ものをかんだ時の感覚が違うだけでなく、歯列全体に及ぶ圧力なども大きく異なるのです。

 

4.かみ合わせの大切さ

 

私たちは毎日欠かすことなく食事をします。それを一生涯繰り返していきます。ですから、「きちんとものがかめる」状態というのは、何にも代えがたいことであり、その機能が失われかけたら、できるだけ回復できる方法を模索することが大切です。その際、経済的な入れ歯やブリッジを選択することも間違いではありませんが、これから1~2年の話ではなく、10~20年先のことまで考えたら、多少費用がかさんでも、かみ合わせの状態を良好にしてくれるインプラントを選択するというのもひとつの正しい決断といえます。それくらい、かみ合わせというのは大切なものといえるのです。

Q

奥歯がなくなると、動脈硬化のリスクが増えるってホント?

A

歯は、食べ物を咀嚼したり、発音の手助けをしたりと、生きていく上でいろいろな機能を担っているだけに、異常が生じると思わぬところにまで悪影響が及ぶことがあります。中でも、奥歯がなくなることで動脈硬化のリスクが上昇するという話があるのですが、俄かに信じがたいですよね。ここではそんな奥歯の喪失と動脈硬化の関連について詳しく解説します。

 

1.奥歯とは

 

奥歯とは、専門的には臼歯と呼ばれている歯で、上下左右でそれぞれ4本ずつ生えています。そんな奥歯は、咀嚼の際にとても大きな役割を果たしているため、前歯よりも大切にしなければいけないといえます。

 

2.奥歯がなくなることによる変化

 

奥歯を虫歯や歯周病などで失うと、硬いものを噛み砕いたり、すり潰したりする機能が著しく低下するため、噛み応えのある食物を食べにくくなります。あるいは、意識的にそういった食物を避けるようになり、軟らかいものばかり口にするようになります。すると、食物から十分な栄養を摂取することが難しくなるだけでなく、咀嚼機能も低下していくので、あまり好ましい傾向とはいえません。

 

3.動脈硬化との関連は?

 

さて、奥歯を失うことによる動脈硬化のリスク上昇についてですが、これは厚労省の研究班が行った調査をもとに広まった話で、そのデータによると、奥歯がすべて残った高齢者と全て失った高齢者では、動脈硬化の発症率において明らかな違いが現れたそうです。具体的には、奥歯を全て失った高齢者は、動脈硬化のリスクが2倍に高まっていたそうです。このデータだけでは、奥歯の有無が動脈硬化のリスクと直結しているかを判断することはできませんが、これだけわかりやすい数値が出ていると、信憑性の高い話だと考えられます。

 

4.動脈硬化のリスクが高まった理由

 

厚労省の研究班は、奥歯を全て失った際に動脈硬化のリスクが上昇する理由を「奥歯がない人はかみにくい緑黄色野菜などの摂取量が減るため」と考えているそうです。確かに、奥歯はニンジンなど噛み応えのある野菜を細かく噛み砕く機能を備えていますので、奥歯が失われることでそうした食物を避けるようになるのも理解できる気がします。

 

5.奥歯がない人の食事状況

 

厚労省の研究班は、奥歯を全て失った人の食事状況も細かく調べています。奥歯が全てある人と比べた結果、緑黄色野菜と魚介類の摂取量がそれぞれ15%と12%少なかったことがわかりました。これらの食物は、動脈硬化の原因となる血液中の活性酸素や脂質を除去する作用を有しているため、その摂取量が減少することで動脈硬化のリスクが上昇したものと考えられます。

 

6.奥歯を失った人の対処法

 

奥歯を失っても、適切な歯科治療を受けることで、奥歯の機能を回復されることは可能です。例えば、入れ歯であれば保険診療内で作製できますし、経済的に余裕があればインプラントを埋入しても良いでしょう。その後の人生のQOL低下や全身への悪影響なども踏まえると、積極的に補綴治療を受けることが賢明であるといえます。

 

7.まとめ

 

このように、奥歯の喪失と動脈硬化というのは、一見するとなんのつながりもないもののように思えますが、厚労省の研究班の調査によって強い関連があることがわかりました。この研究結果によって、しっかりと噛めることの重要性が再認識されたはずです。ですから、歯を失ったら、そのまま放置するのではなく、まずは歯科医院を受診しましょう。歯科医院では、歯の喪失症例に対して、さまざまな補綴治療を提案してくれますので、できるだけ患者さん自身の希望も伝えることが大切です。

Q

インプラントが出来る、適齢年齢は?

A

インプラントは非常に優れた補綴治療ですが、誰にでも適応できるわけではありません。顎骨の状態や口腔疾患の有無など、適応から外れるケースはいろいろありますが、そもそも患者さんの年齢によってはインプラント治療を選択肢から除外しなければならないこともあります。ここではそんなインプラント治療に適した年齢について詳しく解説します。

 

1.成長期の子どもには適応できない

 

まず、インプラント治療の適応から除外される年齢についてですが、発育途上にあるお子さまに関してはインプラント治療を行うことができません。例えば、小学生や中学生などがその年代に当てはまりますが、この時期は歯だけでなく、顎の骨も発育途上にあるため、インプラント体を埋め込むことはあまりにもリスクが大きいといえます。

 

せっかく苦労してインプラント体を埋め込んだとしても、その後の発育状況によっては、インプラントしての機能を果たさなくなるだけでなく、また別のトラブルを引き起こす原因にもなりかねませんので、原則的に適応できません。判断が難しいのは高校生以上で、発育が完了し、成人と同じような条件が口腔内に備われば、インプラント治療を行えないわけではありません。ただ、万全を期すのであれば、顎骨の発育などが完全に止まる成人になってから、インプラント治療を受けた方が安全といえます。

 

2.高齢者は要注意

 

私たちの顎の骨は、高齢になればなるほど脆弱化します。骨密度が低下するだけでなく、顎の骨の幅や広さ、それから深さなども縮小していく傾向にありますので、インプラント治療が難しくなります。ただし、最近では骨造成の技術も発達して、骨量が不足した症例に対しても前処置を施すことでインプラント治療が可能となるケースが多くなってきています。そのため、高齢者だからか適応外になるということは必ずしもありません。むしろ、インプラントオーバーデンチャーのような総入れ歯の症例に対する治療の需要も高まってきていますので、高齢だからという理由で始めから諦める必要もないといえます。

 

3.顎の骨が健全な年代が最も適した年齢

 

加齢に伴う顎骨の吸収やインプラント治療に悪影響を及ぼす全身疾患が少ない年代は、インプラント治療に適しているといえます。20~30代というのは、そういった問題とは無縁な年代なので、インプラント治療を受けても良好な結果が得られることが多いです。一方、女性の場合、40~50代にかけて更年期障害などの影響もあって、骨密度が低下することが多いため、徐々にインプラントに不適な状態となっていくため注意が必要です。要は、顎の状態が健全な年代がインプラント治療にとって、最適といえるのです。

 

4.妊娠期はインプラントできない?

 

さて、ここまでインプラントに最適な年代について解説してきましたが、今のところインプラント治療が適応外となるのが成長期の子どものみに留まっています。それ以外の年代は、条件が整えば高齢者であってもインプラント治療を実施できます。そこで気になるのが、妊娠期の女性です。

 

妊娠中は、抜歯などの歯科治療を控えるくらいですから、インプラントのような侵襲性の高い治療も行えなさそうですよね。実際、妊娠期にあえてインプラント治療を実施する歯科医師はいません。なぜなら、母体への負担だけでなく、胎児への悪影響も予想されるからです。ですから、これから妊娠や出産を控えている人は、妊娠期を避けた上で、インプラント治療を受けることをお勧めします。妊娠前に予め受けるか、出産後落ち着いてから受けるかは歯科医師と相談して決めてみてはいかがでしょうか。

Q

インプラントメーカーの種類

A

おそらく多くの人は、インプラント治療に用いられる材料や器具などはどれも同じメーカーのものと思われていることでしょう。インターネット上で掲載されているインプラントの写真やイラストは、どれも似たような形をしているため、そう思われるのも無理はないといえます。ただ、実際はとてもたくさんのインプラントメーカーが存在しているのです。

 

1.インプラントメーカーとは

 

インプラントメーカーとは、インプラント体やアバットメントなどのパーツだけでなく、それらを装着する際に使用する器具を提供しているメーカーで、インプラントシステムと言い換えても良いかもしれません。日本で厚労省が認可しているインプラントシステムは数種類に限られますが、世界全体では100種類以上のインプラントシステムが開発され、患者さんに提供されています。

 

2.日本で普及しているインプラントシステム

 

日本で普及しているインプラントシステムには、ストローマンやアストラ、ブローネマルクシステムなどが有名です。これらは海外のインプラントメーカーが開発したものですが、最近では日本のインプラントメーカーにおける開発も活発で、GCやプラトンなどが有名といえます。

 

3.インプラントシステムの違いとは

 

インプラントメーカーはそれぞれ異なるインプラントシステムを採用していますので、例えばストローマンを採用している歯科医院でインプラント治療を受けて、その後のメインテナンスについてアストラを採用している歯科医院で受けようとしても難しいケースが多いです。なぜなら、インプラントシステムが違えば、ネジを回すドライバーひとつとっても大きく違ってくるため、対応するのがなかなか難しいのです。また、術式なども大きく異なることがあります。

 

4.どのインプラントシステムがいいの?

 

今現在、日本の多くの歯科医院で採用されているようなインプラントシステムであれば、安全性に大きな問題はないといえます。特に上述したようなインプラントシステムであれば、厚労省の認可も受けているケースが多いので、大きなトラブルが生じるリスクは少ないです。逆に、上述したようなインプラントシステムではない、マイナーなものは要注意といえます。マイナーなインプラントシステムの全てが悪いわけではありませんが、国の認可を受けていなかったり、広く普及していなかったりするということは、それなりに問題点もあることを意味します。また、マイナーであるがゆえに、その他の歯科医医で対応することが困難なケースが多く、口腔内にトラブルが生じた際には一から治療をやり直さなければならないことも珍しくないのです。

 

5.歯科医院の治療実績を重視する

 

インプラントシステムは複数あり、どれを採用しているかは歯科医院によって異なりますが、各システムの違いを明確に見極めることは難しいです。また、それほど決定的な違いはないともいえますので、どちらかというと、インプラントシステムの違いで選ぶのではなく、歯科医院の治療実績を見て選ぶことをお勧めします。インプラント治療はまだまだ新しい歯科治療ですので、知識だけでなく治療実績が豊富な歯科医師にお願いするのが一番です。

 

6.まとめ

 

このように、インプラントメーカーは日本だけでも複数あり、世界的には100種類以上存在しますので、それらの違いを理解するのは困難です。ですから、歯科医院を選ぶ際に指標とするのは、採用しているインプラントメーカーやインプラントシステムではなく、歯科医師の技量や治療実績に重きを置くようにしましょう。少なくとも、厚労省が認可しているインプラントシステムであれば、安全性に問題はありません。

Q

インプラントのメインテナンス

A

インプラント治療では、メインテナンスが重要になるという話はよく耳にしますよね。正直それは、入れ歯にしてもブリッジにしても同じことがいえるのではないか、と思われる方も多いかもしれません。確かに、入れ歯やブリッジも定期的にメインテナンスすることで、長く使い続けることが可能です。ただ、インプラントに関しては、その他の補綴装置以上に、メインテナンスが重要となります。ここではその理由について詳しく解説します。

 

1.その他の補綴装置との違い

 

インプラント治療は、その他の補綴装置とは決定的に違う点があります。それはフィクスチャーと呼ばれる人工の歯根を体の中に埋め込むという点です。厳密には、顎の骨に埋入するのですが、処置を施した後も、基本的には一生、顎骨内に存在し続けます。こういった歯科治療は、基本的に他にありません。入れ歯にしろ、ブリッジにしろ、口腔内に装着することは同じですが、あくまでそれらは歯列に被せているだけに過ぎないのです。

 

2.体は異物を排除するようにできている

 

インプラントの人工歯根は、金属でできています。これは本来、人体にとっては紛れもない異物であり、生体防御の機構が正常に働いていれば、排除しようと作用します。その結果、炎症反応などが生じるのですが、インプラント体に用いられるチタンは少し事情が異なります。チタンは人工関節にも使われている金属で、生体とは非常に相性がよく、幸運にも骨と結合する性質を備えています。これを専門的にはオッセオインテグレーションと呼んでいて、インプラント治療のかなめとなっています。オッセオインテグレーションが期待できるからこそ、インプラント治療が可能となっているのです。

 

3.インプラントは体の一部になる

 

オッセオインテグレーションが成功すると、人工歯根のフィクスチャーは、顎の骨と結合します。つまり、体の一部となるのです。この状態を維持することが、インプラントを長持ちさせる最大のポイントといえるでしょう。ただし、私たちの体はいつ、どのような反応を示すかは予測できません。例えば次の日には、インプラント体を異物とみなして排除しようとする反応が生じるかもしれません。そのきっかけとなるのが歯周病です。

 

4.歯周病のコントロールは最重要

 

インプラントのメインテナンスでは、歯周病を発症していないか、あるいは既に発症していた人は、病態が安定しているかなどを診査します。具体的には、歯茎の腫れや出血、歯槽骨の吸収などが生じていないかを肉眼だけでなく、レントゲン画像も活用して精査します。とくに注意すべきなのはインプラント周囲炎で、インプラントの周りに炎症が生じてしまうと、オッセオインテグレーションまで失われかねないのです。

 

5.専門家によるインプラントのクリーニング

 

インプラントの種類によっては、歯科医や取り外して、インプラントやアバットメントの状態をチェックしたり、付着した汚れを取り除いたりすることができます。こういったプロフェッショナルケアは、インプラントを長持ちさせる上で非常に重要であるといえます。また、セルフケアの状態なども歯科医師が把握できるため、定期的に専門家に診てもらうことは、非常に有益といえるでしょう。

 

6.まとめ

 

このように、インプラント治療におけるメインテナンスは、その他の補綴治療とは比較にならないほど重要な取り組みといえます。インプラントは自分自身の体の一部になっているという意識を持つことで、定期的なメインテナンスの意義を理解しやすくなるかと思います。インプラントを長持ちさせることはもちろんのこと、お口の健康のためにもインプラントのメインテナンスは継続して受けることをお勧めします。

Q

歯周病とインプラント治療

A

インプラント治療では、事前に精密な検査を実施することで、インプラント治療を適応して良いかどうかを判断します。その際、周囲に虫歯があるくらいなら、予め虫歯治療を済ませることで、インプラント治療へと移行できるのですが、歯周病がある場合は要注意です。なぜなら、インプラント治療と歯周病というのは非常に相性が悪いからです。

 

1.歯周病とは

 

歯周病とは、歯肉炎や歯周炎の総称で、歯周組織に炎症が生じる病気です。日本人の8割以上が罹患していると言われている歯周病ですが、個々の患者さんによって歯周病の進行度は大きく異なるため、歯周病にかかっているからといって、その時点でインプラント治療が難しくなるわけではありません。

 

2.歯肉炎は比較的軽度な歯周病

 

比較的軽度の歯周病を歯肉炎といいますが、歯肉炎は文字通り歯肉に炎症が生じる病気で、歯周組織の表層だけに病変が限局していますので、インプラント治療への影響はそれほど大きくありません。けれども、歯肉炎が確認されている時点で、すぐにインプラント治療へ移行することは難しく、まずは歯肉の炎症を改善させると同時に、口腔衛生状態を清潔に保てるよう、ブラッシング指導などを受けて頂きます。そうして、歯肉炎が生じないような環境が整えば、インプラント治療をスタートさせることができるのです。

 

3.歯周炎になると起こる歯周組織の変化

 

歯周病が歯周炎にまで悪化すると、いよいよ歯周組織の深い部分にまで炎症を始めとした病変が広がっていきます。具体的には、歯根膜に炎症が及び、歯を支えている歯槽骨は吸収されていきます。その結果、歯の安定性が失われ、グラグラと動揺するようになるのです。この状態では、歯肉や歯槽骨に分布している細胞の活性も低いため、インプラント体を埋め込んだとしてもすぐに脱落してしまうことでしょう。ですから、歯周炎を患っている人は、歯周組織の炎症や病的吸収などを治すことが絶対条件となります。

 

4.吸収された歯槽骨は再生できる?

 

歯周炎によって吸収されてしまった歯槽骨は、骨造成という処置を施すことで再生することが可能です。ですから、今現在、重度の歯周炎を患っていたとしても、適切な処置を施し、骨の状態を良くすることで、インプラント治療を受けることも可能といえます。そのためには当然、インプラント体を埋め込んだあとも、歯周病が再発しないよう、さまざまな努力が必要となります。

 

5.インプラント自体が歯周病を起こしやすい?

 

インプラント治療に伴うトラブルとして、インプラント周囲炎という病気が挙げられます。インプラント周囲炎とは、その名の通りインプラント周囲に炎症が生じる病気で、一種の歯周病といえます。これは、インプラントの上部構造などに歯垢や歯石がたまりやすい傾向が認められるためであり、天然の歯とは清掃性が異なることを意味しています。

 

ですから、インプラントを装着したあと、その他の歯と同じようなケアを施していては、歯周病のリスクが高まりますので、より丁寧なブラッシング等を継続していく必要がでてくるといえます。とくに、インプラント治療前に歯周病を患っていた人は要注意といえるでしょう。

 

6.まとめ

 

このように、インプラント治療と歯周病には密接な関係がありますので、歯周病のリスクが高い人や、今現在歯周病にかかっている人は、インプラント治療を受けるにあたって、オーラルケアを徹底することを決意する必要があります。また、歯科医院におけるメインテナンスも定期的に受けていくことも欠かすことができません。そうしたことを意識した上で、インプラント治療をスタートさせましょう。

Q

インプラントの妥当な金額は?

A

インプラント治療は、原則自費診療であるためか、歯科医院によって治療費が異なります。そこで前もって知っておきたいのが、インプラント治療の適正価格です。ここでは、あくまで目安ではありますが、インプラントの妥当な治療費について詳しく解説します。

 

1.なぜ保険が適用されないのか

 

インプラント治療が高くなる原因のひとつに、保険が適用されないという点が挙げられます。これだけ素晴らしい治療法なのだから、保険適用してくれても良いのでは、と思われる方も多いでしょうが、やはりインプラント治療はまだまだ先進医療で、材料や必要となる設備にも多額の費用がかかるため、全ての症例にインプラント治療を保険適用させていたら、国の医療費が膨らんでしまい、大変なこととなってしまいます。

 

2.自由診療だから料金設定も自由に

 

インプラントの治療費にばらつきが生じる理由として、自由診療ならではの事情もあります。保険診療であれば、全国どの歯科医院で同じ形の入れ歯を作っても請求される金額は同じですが、自由診療となると、価格の設定は各歯科医院に任せられます。極端に安い価格を設定する歯科医院もあれば、極端に高い価格を設定する歯科医院もあります。そんな中で知りたいのは、インプラント治療において妥当といえる金額ですよね。

 

3.治療費の平均は32万5千円

 

インプラント治療というのは、単一のシステムしか存在しないわけではなく、今現在100種類以上のシステムが運用されています。ですから、どのシステムを採用するかだけでなく、使用する材料の選択や適応する症例によっても、治療費は大きく変わってくるため、インプラント治療の妥当な金額を一概にいうことはできません。ただ、日本で実施されているインプラント治療における治療費の平均額は判明しています。

 

2011年に日本インプラントセンターが発表した内容によると、インプラントの平均治療費は32万5千円とのことでした、確かに、多くのインプラント治療は30~50万円程度の費用がかかるため、ある意味で妥当な金額といえます。ちなみにこの金額は、インプラント1本あたりにかかる費用です。

 

4.特別な材料を使用するインプラント治療

 

インプラント治療では、ジルコニアやチタンといった、通常の歯科治療ではなかなか使用することない高価な歯科材料を使います。チタンに関しては、人工関節にも用いられており、医療素材としての安全性も確立されているため、その他の選択肢はないといえるでしょう。

 

5.構成するパーツが多い

 

ブリッジや入れ歯というのは、人工歯と歯茎の部分から成る補綴装置ですが、インプラントには人工歯根という、他の歯科診療では見られないパーツが必要となります。しかも人工歯根であるフィクスチャーは、インプラントオペと呼ばれる外科処置を必要としたり、事前の精密検査においては、CTを使った画像撮影やシンプラントと呼ばれる特別なシミュレーションソフトなども活用したりするため、必然的に治療費がかさんでしまうこととなっています。

 

6.30万円は決して高くない?

 

このように、インプラント治療が他の歯科治療と比べると極端に高くなるのは、それなりに理由があるからです。自由診療であるだけでなく、使用する材料や診療に必要となる設備や器具なども、特別なものを用意しなければなりません。そういった意味で、インプラント治療にかかる費用が平均で約30万円というのは、必ずしも法外に高い金額ではないといえるのではないでしょうか。ただし、このような平均額を著しく逸脱するようなケースは妥当とは言い難いので、その内訳を明確にしてもらうなり、セカンドオピニオンを求めるなりして対応することをお勧めします。

Q

インプラントの土台、フレームは、ジルコニア、チタンなど何がいいの?

A

インプラントは、隣の歯を削って支えとしたり、クラスプを引っ掛けて固定したりする必要のないシンプルな補綴装置ですが、そのパーツは意外に複雑です。また、使用される材料もパーツによって変わってきます。ここではそんなインプラントに使われる材料について詳しく解説します。

 

1.インプラントは3つのパーツから成る

 

インプラントは主に、3つのパーツから構成されています。

 

1-1 インプラント体(人工歯根)

 

まず、インプラントの心臓部ともいえるインプラント体は、フィクスチャーや人工歯根などいろいろな名前で呼ばれていますが、インプラント治療において最も重要なパーツといえます。また、その他の歯科治療にはない、インプラント特有のパーツでもあります。そんなフィクスチャーは、基本的にチタンという金属で作られています。これは、チタンが顎の骨と結合する性質を有しているためです。人工関節にも使われている素材で、人体への安全性も保証されています。

 

1-2 上部構造(人工歯)

 

インプラント治療でも、その他の補綴治療と同様に、人工歯の部分があります。専門的には上部構造と呼ばれており、天然歯においては歯冠の部分に相当します。そんなインプラントの上部構造には、ジルコニアが用いられることが多いです。ジルコニアは、とても硬い素材で、見た目の色や質感なども天然の歯に近いと言われています。そのため、インプラントの上部構造には最適な材料といえるでしょう。

 

1-3 アバットメント

 

インプラント体と上部構造をつなぎ合わせるネジのようなパーツに、アバットメントと呼ばれるものがあります。アバットメントは、インプラントの歯冠部と歯根部を結合させる上で欠かすことのできないパーツですので、使用する材料も適したものを選ばなければなりません。具体的には、インプラント体を同じチタンが使用されたり、上部構造と同じジルコニアが使用されたりします。いずれも異なるメリットとデメリットがあるため、ケースに応じて使い分けられます。

 

2.生体親和性の高さが要求される

 

インプラント治療に用いられる材料は、基本的に生体親和性の高さが要求されます。なぜなら、インプラント体は顎の骨と直接結合し、アバットメントや上部構造に関しても歯周組織との密着性が高いパーツなるからです。これらがもし、生体に対して何らかの為害性を持っていると、インプラントはたちまち脱落してしまうことでしょう。私たちの体は異物を判断したものを生体外へ押し出すメカニズムが備わっているからです。そういった意味では、生体親和性の高いジルコニアやチタンは欠かすことのできない歯科材料といえます。

 

3.審美性の高さも併せ持った材料

 

上部構造やアバットメントに用いられるジルコニアは、丈夫で生体親和性が高いだけでなく、審美性も兼ね備えた素晴らしい歯科材料です。例えば、上部構造だけでなくアバットメントにもジルコニアを用いることで、金属色の透過が抑えられるため、審美性がさらに天然歯へと近づくこととなります。

 

4.まとめ

 

このように、インプラント治療に使われる歯科材料というのは、適切な処置を施そうとすれば自ずと限られてきます。ジルコニアやチタンは欠かすことのできない素材ですので、その他の材料を使用する際には、まずその理由についてきちんと確認した方がよいといえます。もちろん、ジルコニアやチタン以外にも、インプラントに適した材料はありますので、これらを用いないからといって、決して間違った治療というわけではありません。

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