インプラント治療の流れ
歯周病(歯槽膿漏)治療の流れ

MEDICAL FLOW / 01
インプラント治療の流れ *

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歯がないところがある方、
抜かないといけないかもしれない歯がある方
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インプラント治療を行うにしても、周囲の歯に虫歯などの問題があったり、歯周病が強く起こっていたりすると、そのままインプラント治療が出来ない場合があります。また、まだ歯が残っている場合は、その歯が本当に抜かないといけないのかどうかをまず診断する事から始めます。歯周病治療などを適切に行えば、まだまだ抜かなくてよい歯の可能性もあるためです。
そのため、まずは今残っている自分の歯が大丈夫なのかどうか、インプラントをしたい歯のまわりの歯肉や歯が健康な状態なのかどうか、レントゲン撮影や歯周病検査、虫歯チェックなどの検査を行い、確認します。
歯周病治療や周囲の歯の虫歯治療が必要な場合は、そちらを行いながら、インプラント治療にご興味を持っていただけた方は次のステップに移ります。

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CT撮影・精密検査(無料)

インプラント治療を行うには、CT撮影が不可欠です。骨の固さ(骨密度)がしっかりしているか、幅はしっかりしているか、骨の形は大丈夫か、など、CTでなければわからないことが数多くあるためです。
あゆみ歯科クリニックではインプラント診断のためのCT撮影は無料で行っておりますので、お気軽にお声かけください。

歯科用CTについて
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インプラント無料相談

CT撮影後、通常のレントゲンや口腔内写真と合わせて、治療計画をご提案いたします。患者様のご希望や骨の状態などから、必要な本数やインプラントの種類、骨を足す(GBR)必要があるかないか、歯肉移植などでさらに美しく仕上げることが出来るかどうか、治療期間、回数、費用など、わかりやすく詳しくご説明いたします。

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一次オペ前の手術 ※必要な場合のみ

骨が相当不足している方は、骨を段階的に足す処置(staged approach)を行う必要があります。下記のような処置を行い、約5か月を空けて【05インプラント埋入手術(一次オペ)】に移行します。

骨の幅が相当不足している(上下顎ともに適用可能)
GBR
上下顎ともに対象で、骨の幅がとても少ない場合に行う骨を足す処置のことです。骨補填剤(骨を足す材料)を入れ、骨が出来るのを待ちます(約5か月)。
その後、その骨補填剤がその部位の骨として固まるので、インプラントを埋入していきます。
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ブロック骨移植
上下顎ともに対象で、骨の幅がとても少ない場合(GBRよりもさらに少ない場合)に行う骨を移植する処置のことです。
他の部位から、自分の骨をブロック状に取得し、不足している箇所に移植し、
骨が出来るのを待ちます(約5か月)。その後、そのブロック骨がその部位の骨として固まるので、インプラントを埋入していきます。
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骨の高さが相当不足している(上顎臼歯部に適用可能)
サイナスリフト
上顎の臼歯部(奥歯)が対象で、骨の高さがとても少ない場合に行う骨を足す処置のことです。
上顎奥歯の頬側の歯ぐきから、骨補填剤を入れ、骨が出来るのを待ちます(約5か月)。その後、その骨補填剤がその部位の骨として固まるので、
インプラントを埋入していきます。
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インプラント埋入手術(一次オペ)
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インプラント手術の日に使うステントを作成した後、実際の埋入手術を行います。1本あたり約30分くらいが目安になります。手術は局所麻酔で行いますが、数日後には痛みが何もなくなることがほとんどです。
骨を足すのか足さないのか、1回法(埋入した日にネジの頭がお口の中に見える状態)なのか2回法(歯肉より下にネジ全体が入るパターンです)なのか、歯肉移植の有無、などでも手術時間の多少の前後があります。

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一次オペと同時の手術 ※必要な場合のみ

骨が不足している方は、インプラント体を埋入する際に同時に骨を足す処置(simularaer aproach)を行う必要があります。同時に行う方が総治療期間は数か月分短くて済みます。下記のような処置と同時に、【05インプラント埋入手術(一次オペ)】を行います。

骨の幅が不足している(上下顎ともに適用可能)
マイナーGBR
上下顎ともに対象で、骨の幅が少ない場合に行う骨を足す処置のことです。
インプラント体を埋入し、骨が不足している箇所に骨補填剤を入れ、骨を足していきます。
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スプリットクレスト(=リッジエキスパンジョン)
上下顎ともに対象で、骨の幅が少ない場合(マイナーGBRよりもさらに少ない場合)に行う骨を足す処置のことです。
骨を2分割し、数mm幅を広げて、その隙間にインプラントを埋入します。
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骨の高さが不足している(上顎臼歯部に適用可能)
ソケットリフト
上顎の臼歯部(奥歯)が対象で、骨の高さが少ない場合に行う骨を足す処置のことです。
歯が元々あった箇所に穴をあけて、その先に空間を作り骨補填剤を入れ、
インプラント体を埋入します。
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骨が固まるのを待ちます

元々の骨の固さや幅、場所によってもことなりますが、約3~6か月間、骨とインプラントが固まる(オステオインテグレーション)のを待ちます。この間にそれ以外に治す歯があれば治療を行ったり、歯周病治療などを継続したりします。

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必要な場合は2次オペを行います

手順5の時に骨が弱かったり、少なかったりした場合、2回法を選択し、歯肉より下にインプラントのネジが入っています。その為、この2次オペによって歯肉の中のインプラントのネジにキャップなどを取り付け、歯肉の上の見えるところにネジを出してきます。オペという名前ではありますが、局所麻酔後、5~10分程度で終わることがほとんどです。

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土台を立てます
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骨が完全に固まったら、土台(アバットメント)を立てます。これはその日1回でできるものと、型取りを行って次の週に着くものと大きく分けて2パターンがあります。インプラント部位や角度などによって使い分けられます。

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かぶせもの(上部構造)の型取りを行い、装着します
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土台が立ったら型取りを行い、次の1~2週間後には歯が入ります。歯の種類はジルコニアセラミックスやメタルセラミック(中身が金属で外側がセラミックのもの)、ハイブリッド前装冠(中身が金属で外側がセラミックとプラスチックの混ざったもの)の中からお選びいただけます。前歯部など、よりきれいに仕上げたい場合には、あえて時間をかけて何度も調整を行い、少しずつ歯肉の形を整えていくこともありますが、その分とても美しく仕上がります。

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メンテナンス
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インプラントの歯が入った後、インプラントは虫歯にはなりませんが、放っておくと歯周病と同じようなこと(インプラント周囲炎)にはなってしまいます。インプラント周囲炎が進み、骨が溶けていってしまうと、歯と同じようにインプラントもグラグラして抜けていってしまったりします。それを防ぐため、完成後数カ月に一度は周りの歯を含めてしっかりと清掃し、自分の歯はもちろん、せっかく入れたインプラントがずっと永く使えるようにしていきましょう。

インプラントメンテナンスについて

MEDICAL FLOW / 02
歯周病(歯槽膿漏)治療の流れ *

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検査1を行います
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歯石や着色、歯のグラグラ、出血、腫れが気になる方や最近歯石取りをしていない方は、まずは歯の周りを含めて、全体の歯肉の状態、歯石の場所や量、腫れや出血、グラグラしている場所など歯周病の検査を行います。
検査自体は5分ほどで終わります。

歯周ポケットについて
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歯というのはピンクの歯茎の上に白い歯が乗っているのですが、実際には根っこがあり、硬い骨と柔らかい歯茎で支えています。歯周ポケットというのは歯と歯茎の境目にある溝のことを言います。手で言うと爪と指の間にある隙間の様なものです。

このポケットの深さが何mmなのかをプローブという器具を用いて測ることによって、歯周病の状態を調べることができます。

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歯茎が引き締まっていて、きれいな状態であれば浅いのですが、歯周ポケットに汚れが付いて歯茎が腫れていたり、中で歯周病が進んで骨が痩せていたりするとポケットが深くなってしまいます。まずはこのポケットが何mmあるのかを全体的に測っていき、どこが歯周病が進んでいて、どこが健康な歯茎なのかを検査していきます。

歯周病の進行について
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左図はポケットが1~2mmで健康な状態なのですが、ポケットに汚れが付いて何日かほっておくと、歯茎が少し腫れてきてしまいます。

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器具(プローブ)が入る位置は一緒なのですが、歯茎は上向きに腫れているので、ポケットは3、4mmになってしまいます。歯磨きをすると出血したりすることもある状態です。そこからしばらく経ってしまうと、歯周ポケットの周りについていた汚れの中にいるバイ菌達が骨を食べていってしまい、骨がだんだんと減ってしまいます。

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骨が減ってしまうと、ポケットの深さは4mm程になってしまいます。中で汚れが固まり、できてしまった歯石はこのまま放っておくと骨がどんどん痩せていってしまい、歯がグラグラになってしまいます。ちなみにこの歯石、1mmg中には細菌が1億匹住んでいる、と言われています。

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位相差顕微鏡でお口の中の細菌を調べることができます!
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当院では位相差顕微鏡(無料)を用いて実際にそれぞれの患者様でどのような菌がいるのか、多いのか少ないのか、なども検査させて頂くことが可能です。骨がある状態では歯はしっかり支えられているのですが、骨が無くなると支えが無くなり、歯が揺れてしまうのです。

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この歯周病の怖い所は、痛みなく進行し、一回進行してしまうと、元に戻す、ということができないことです。例えば、風邪であれば薬を飲んで治れば、元通りの体になります。虫歯も削って治せば、元通りの食事ができるようにはなります。しかし、歯周病は元に戻すことができないので、これから悪くならないようにしていくことが大切なのです。

歯石とSC(スケーリング)、
SRP(デブライドメント・ルートプレーニング)について

次に、汚れや歯石について詳しく見ていってみましょう。ポケットや歯と歯の間に磨き残しなどで残ってしまった汚れが、唾と混ざって時間が経つと歯石という固まりになり、歯石の中にあるバイ菌が歯茎の中に入っていき、骨を溶かしてしまうのです。そしてこの骨を溶かしてしまうことを歯周病と言います。

この歯周病を防ぐためには、歯石や汚れなどをお掃除で取り除いてあげて菌が少ない状態にしてあげることが必要になります。

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お掃除の方法としましては、まず歯茎の上の見えている所を超音波の機械を使って1、2回に分けて行っていきます。虫歯とは違い、削るわけではなく、水ではじく様に落としていきます。
その後、歯茎の中に汚れが残るので、少し違うのですが、耳かきのようなものを用いて歯茎の中身をガリガリと2、3回に分けてお掃除していきます。虫歯治療、お掃除が終わってからは3カ月に1回、お掃除や虫歯チェックをしてあげることで、虫歯ができたり、歯周病が進んだりすることを防げると思いますので、今後も見ていければと思います。

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SC(スケーリング)
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歯垢(プラーク)はご自身で除去することが可能ですが、歯垢が固まって歯石となってしまった場合、ご自身では除去することはできません。
そのため、歯医者でスケーリングを行う必要があります。スケーリングは、手動で行うハンドスケーラーや、超音波器具の超音波スケーラーなどを用いることにより、歯根面から歯石を取るための治療です。歯科医師、歯科衛生士が行います。歯周病専用の超音波スケーラーは、微振動でセメント質の損傷を最小限に抑ることによって、歯石や歯垢(プラーク)を効果的に除去することができます。また、先端部分が狭い形状のため、チップと呼ばれる歯周ポケットにも入りやすく、歯周ポケット奥深くにある歯石もしっかりと除去することができます。

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検査2を行います

SC(スケーリング)が終わると、歯茎の上のお掃除が終わった状態になります。その時点で再び、どれくらい歯肉が良くなっているか、歯周ポケットの状態がどうか、など歯周病検査を行います。そしてその後、SRP(スケーリング・ルートプレーニング)という、歯周ポケットの中のお掃除を行っていきます。

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SRP(デブライドメント・ルートプレーニング)
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デブライドメント・ルートプレーニングは、直接的な歯周病の原因となっているプラークを取り除く治療です。セメント質を傷つけることなく、安全な治療が可能です。デブライドメントは、超音波や手動の器具などを用いることによって、歯周ポケット内部に溜まった歯垢(プラーク)を取り除いていくため、治療後は歯根面が滑らかになります。

歯茎の中にある硬い汚れをグレーシーキュレットという器具を使って取っていきます。

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歯茎の中身の汚れを取ることで腫れていた歯茎が引き締まり、歯と歯茎の間に新しい汚れがつまりにくくなり、虫歯や歯周病を防ぐことができます。SRPは大体、前、右、左、の3回ほどで行っていきます。

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検査3を行います

SRPが終わると、歯茎の上と中身両方のお掃除が終わった状態になります。この時点で再びどれくらい歯肉が良くなっているか、歯周ポケットの状態がどうか、など歯周病検査を行います。
多くの方では歯周初期治療と呼ばれるこの段階で歯周病治療が一旦ひと段落しますので、あとは数ヶ月に一度ほど、最初のSCを行い、それ以上歯が悪くならないようにしてきます。ただ、歯周病が進行している方(5mm以上の歯周ポケット)、あるいは歯1本だけ等どこかの歯が歯周病でやられている方には、この後のFOPやエムドゲインをお勧めしています。

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必要に応じて歯周外科を行います
FOP(フラップ手術)
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フラップ手術は、重度の歯周病に対して行われる手術です。歯周病が進行した場合には、歯肉を切開するという治療法により、歯根部に付着した歯石や歯垢(プラーク)を取り除きます。フラップ手術の大きなメリットとは、確実性があげられます。歯ぐきを切開するため、プラークや歯石をしっかりと目視で確認できるようになります。歯周病の進行により歯槽骨の吸収が起こっている場合に、非外科処置と比べ、より的確なデブライドメントやスケーリングができるというメリットがあります。

エムドゲイン
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エムドゲイン(歯周組織再生療法)は、歯周病の進行によって溶けてしまった顎の骨や歯根膜などの歯周組織を再生させるための治療法です。歯周組織再生療法といわれる方法の一つになります。タンパク質の一種である、エムドゲイン・ゲルを歯根表面に塗ることで、歯が生えてくるときと同じような環境をつくることができます。それにより、歯周組織の再生を促すことが可能となります。

GTR
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GTR歯周組織誘導と呼ばれる治療法です。歯周病によって歯肉・歯根膜・歯槽骨などの破壊された歯周組織の再生を誘導する治療方法です。歯周ポケット内の歯石やプラークを取り除き、骨が溶けてしまった部分にメンブレンという人工膜を挿入します。それにより、歯周組織や歯根膜といった歯周組織の再生を誘導します。

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再評価をします

FOPやエムドゲインなどの歯周病治療が終わったのち、最後の検査を行っています。これで歯周病がどれくらい良くなっているかを確認し、歯周病治療が一旦一段落していきます。

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メンテナンス
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その後、そのまま放っておいてしまうと、また虫歯になったり歯周病が進んでしまったりしてしまいます。それを防ぐために大体3ヶ月に一回位のペースで歯周病治療、歯石除去を行っていきましょう。そうすることで新しい虫歯の発生や、歯周病の進行を食い止めることが出来、仮に虫歯ができてしまったとしても、小さい間に発見できるので、「ちょっと詰めて終わり」という簡単な治療で済みます。是非歯を大切に守っていきましょう。

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あなたはどれでいたいですか?
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歯は食事をするためだけではなく、体の健康にも大きく影響しています。

あゆみ歯科クリニックでは、出来るだけ自分の歯でいられるように、抜かないための歯周病治療に力をいれています。自分の歯で、しっかりと噛めて食事が楽しめることが最も大切です。
しかし、日本人の8割が歯周病と言われており、罹患している方がほとんどです。
出来るだけ抜かないように注力しますが、どうしても抜歯しなければならい状況もあります。その場合には、第二の永久歯と言われているインプラント治療をお勧めします。自分の歯のように噛むことができます。
ただ、最初からインプラントではなく、抜かないで済むようにしっかりと定期的にご来院いただき、歯のクリーニングをしていただきたいです。